ベトナム

VMPベトナムミニプロジェクト

 NVCの会員個人が中心となって企画・実行し、NVCを通じて支援するプロジェクトです。VMPは個人が主体となって進める点においてVFPと比べると規模としてはいくらか小さかったり、かたちも一通りではなく様々な形態を取りうるといえるかもしれません。こうしたVMPではありますが、一つの実践例として小林伸子さん(VMP#1実行委員)に最初のプロジェクトである洗濯機プロジェクトについて紹介して頂きました。


VMP#1 洗濯機プロジェクト


▲ベトナムフェスティバルの様子(民族衣装アオザイを着たベトナム人留学生たち)


▲キークワン寺に贈られた洗濯機(上)・食事(下)


▲おもちゃもプレゼントできました

 ベトナムミニプロジェクト− 現在NVCの核となっているVFP(ベトナム未来プロジェクト)からは独立したプロジェクトである。支援のための資金源をNVCの財源に頼らず、独自の方法で資金を生み出し支援される。

 VMP第一弾となった洗濯機プロジェクト。ベトナムホーチミン市郊外、キークワン寺、ここに洗濯機を贈るために企画された。お寺に併設された施設を訪れ、盲目の少女達と生活を共にした私と矢吹会員は、劣悪な環境の中で力強く生きる彼らのひたむきな姿に「知る事」の大切さを痛感した。

  帰国後、お寺で洗濯機を必要としていると聞き、資金作りの為に友人のベトナム人に協力を依頼した。洗濯機を贈りたい私たちと、ベトナムの文化を日本で紹介したい留学生の気持ちがひとつになり、更に長岡の人々にキークワン寺の事を知ってもらうため、私たちはチャリティーイベント開催に向け、活動を開始した。資金ゼロで全てが始まり、私たちは手作りのベトナムフェスティバルを作り上げなければならなかった。お客さんに出すドリンクは矢吹会員が学生時代にアルバイトをしていた大塚製薬から、スポンサーとしてペットボトル200本を無料で提供していただいた。彼女の当時の仕事ぶりが認められていた故の収穫だったに違いない。約2ヶ月間、私たちは準備に追われた。バンド、ソロで歌う留学生、看板や垂れ幕作り、会場の調整、食材調達、PR…、そして週末は夜遅くまで練習が行われた。

 2000年7月30日。長岡市社会福祉センターでベトナムフェスティバルが開催された。入り口には水落会員を中心に男性スタッフが前日までかかって作成した「ベトナム風」竹門が飾られ、お客様を出迎えた。目標であった50人をはるかに上回る100人近いお客さんが汗を拭きながら会場入りする。冷たい飲み物が即座にお客さんの手元に配られる。狭い会場は好奇心あふれる顔つきのお客さんで熱気にあふれていた。後に参加者の方に「五感を刺激され、素晴らしかった」と感想をいただいた。まるで大学の講義のような「ベトナムの歴史・文化の紹介」、そしてベトナム料理、ベトナム音楽、歌、アオザイショー。ベトナム人スタッフによるプログラムは完璧だった。そして多くのボランティアの人達。表には出ず、しかし強力な支えとなりフェスティバルを成功に導いてくれた事を、心から感謝している。そして会場隅に置かれた小さな募金箱には、趣旨を理解して下さった多くの方々から善意の募金が寄せられていた。こうして私達の「思い付き」企画は、大成功と言う形で終了した。

 フェスティバルの売り上げは101,053円と目標を大きく上回った。それにプロジェクト第一弾として5月に行ったフリーマーケットの売り上げ、42,599円を加算し、洗濯機ファンドは143,652円となった。NVCベトナムのリンさんに、調査を依頼し、ようやく12月、キークワン寺に一台の最新型全自動洗濯機が届いた。一台でよいから一度に多くの洗濯をできる性能の良い物を、というお寺の意向を聞いての決定だ。残金は必ず子供たちの為に、という条件でリンさんに一任し、洋服やおもちゃなどをプレゼントした。同じ時期、ベトナムのメコンデルタで洪水が起こり、何百と言う人々が待つ被災地にリンさんは救援旅行に度々出かけていた。そんな多忙なリンさんが、金額としては小さな私達の支援活動を決しておざなりにする事なく、常に最高のサポートをしてくれた事を大変感謝している。

企画から洗濯機が実際にお寺に届くまでの約9ヶ月間は、自分達が立ちあげたプロジェクトが成功するのかと言う不安を抱きながらも、忙しい日々の連続であった。しかし、この軽はずみともいえる企画を誰一人として、反対しなかったNVCの運営委員会に不可思議な気持ちを持ちつつも感謝している。このような小さなヨレヨレの「芽」さえも摘み取ってしまわない、NVCの懐の大きさが、アマチュアでありながら幾つもの活動を成し遂げ、徐々にそして着実に成長していった理由の一つなのではないだろうか。

 後に「NVCのコンペイトウ効果」と言う言葉を聞いた。核の部分があり、その上に「ぼこぼこ」がいくつもくっついている。その小さな「ぼこ」一つに、私達の洗濯機プロジェクトがなれたのであれば、とても嬉しく、やはりやって良かった、という気持ちが満ちてくる。ベトナムミニプロジェクトの良さは、フットワークの軽さである。それがどんなに小さな支援であろうと、思い付いたアイディアに頭をフル回転させ、さらに周りのブレーンのサポートとNVCのバックアップにより、企画から実行までを行っていく。責任の所在は自分達にあるが、「思い付き」を形にする受け皿がNVCにはあるという事が言えると思う。

 現在はVMP#2として、瀧澤会員が御自身の会社の創立50周年記念事業の一環として募金を呼びかけ、ベトナムに小学校を建設するプロジェクトを立ちあげている。大きな「ミニ」プロジェクトだ。今後もVFPと平行して、多くのVMPが立ち上がり、NVCのコンペイトウがさらに大きくなっていくことだろう。  




VMPベトナムミニプロジェクト一覧


名称 内容・地点・場所 実施年月・期日(着工、開校など) 費用 企画,実行 備考・補足
VMP1 キークワン寺に洗濯機をプレゼントするプロジェクト 2000年8月-2001年2月 130288円 小林伸子 ・矢吹あゆみ会員 FM、ベトナム祭などを開催し、資金集めを行った。
VMP2 幼稚園建設 中部地区(クアンチ省) 実施未定 約40万円 瀧澤勇人 会員
(東北電力有志のカンパキャンペーン)
VMP3 クチ地区の各家庭にトイレを建設するプロジェクト 実施未定
VMP4 キークワン寺ドンナイ省農場に100メートルの撒水ホースを支援 実施未定 約9000円
VMP5 小学校建設 メコンデルタ地区Phuong Thinh village, Cao Lanh district, Dong Thap 02.01.12-04.20 $170,000,000 VND
= $11,250 USD
瀧澤勇人会員 (東北電力有志のカンパキャンペーン)
VMP6 Mai Am Binh Minh運営費2年目支援 02.06-03.05 $5000 瀧澤勇人 会員 (東北電力有志のカンパキャンペーン)

*VMP1についての詳細は「かけ橋16号」に掲載されています。