かけ橋

かけ橋 ラオス-新潟
第 4 号  1991年6月20日
発 行 所  新潟市五十嵐2の町8050 新潟大学法学部内
        多賀研究室 内 NVC事務局

第3回NVCラオス愛のかけ橋バザーご協力ありがとうございました
 第3回NVCラオス愛のかけ橋バザーは6月8日東北電力グリーソプラザで行われました。皆様の力強いご協力により、売上と寄付金を合計し、二、〇六五、〇四〇円にもなりました。呼びかける人、協力の手紙を書く人、品物を提供してくれる人、それを運ぶ人、場所を提供してくれる人、設営をする人、売る人買う人……その数は新潟を大きく動かしたのではないでしょうか。そしてその心はラオスまで届きます。民間で行う新潟最大鋭模のバザーだと確信しております。
 美しい自然の国ラオス。この国は一八八九年から五四年までフランス植民地支配の下にありました。その後も激しい内戦が続き、内戦がおさまった今でも、荒れた村からは難民がでています。その村にきれいな水がでる井戸があれば、子供たちは遠くはなれた川へ水を汲みに行かなくてもよく、保健衛生の知識がもっと学べれば、伝染病の防止、幼児死亡率を低下させることができるのです。新潟の人々の心とカを大きく動かし、ラオス農村生活改善プロジェクトを支えているNVCはもう後戻りすることはできません。どうかひきつづきご支援お願い申し上げます。

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ラオス・スキャット
  学生会員 紺 野 美 王

 全面ガラス張りで、ちょっとしたバーのダンス・フロアほどの広さがある会場は、先ほどの街頭宣伝の効果も手伝ってか、日曜日の午後の主婦たちで賑わっていた。僕は会場の隅にある光ケーブルで採光しているというデイジーの花壇のふちに腰かけ、独りでウーロン茶を飲んでいた。“去年のクリスマスは家に帰らずに、重症心身障害児施設に仕事の手伝いに行って来ました。早い話がボランティアですが、ボランティアという言葉を気安く云えるほどボランティアを真に実行している自信は無い。それに、ボラソティアという言葉は、いかにも自分が無償でいいことをしているという感じで吐き気がする。”
 盛岡にいるTから送られてきたそんな手紙を、僕は思い出していた。会場では、値段をかけあう売り手と買い手が楽しそうに交渉している。この雰囲気は、ロックやシンセより寧ろスキャットに近い。
 押しつけの活動であってはならないと思う一方で仲間と思っていた人聞からふられるのはやはり寂しいものがある。仕事の内容はかなりハードであることは百も承知なので当たり前かなとも思うし、こんな割に合わない活動をしている自分も異常なのかなと思う。
  入り口のポスターを見たと入ってくるおばさん、つり銭はいいよと照れくさそうに帰って行くおじさん、やってるかよ、似合わなねえなと駆けつけてくれた友人、足をふんばって汗をかきながらありがとうございましたと頭を下げるNVCの仲間たち。こんなものでいいかしらと品物を提供してくれた人たち。彼らのスキャットがラオスに届きますように。
 「救われるのは、何もラオスの子供たちだけじゃない」と僕はウーロン茶を飲み干し、窓ガラスに映った自分の姿を見る。悪くないだろ?とTが隣で笑った気がした。

求められる国際的アイデンティティ
  NVCアドバイザー 与 田 光 雄
 題名は忘れたが、先頃NHKTVで磯村尚徳氏が二夜に亘って中国の張学良氏を扱った特番を放映したことがある。番組の最後で磯村氏が張氏に求めた問答は次のようなものであった。
「経済大国、技術大国化して先進諸国に列せられるようになった日本のあるべき姿は=…・」
 張氏はすかさず殿殿語(里仁) の曽子の言葉を引用され、「夫子の道は忠恕のみ」 と端的に答えられた。
 昨今の日本に対する真に意味深長な風刺であり、諌言でもあるように私には受け止められた。同様に曽子の三省の義(学而) に、「人のために謀りて忠ならざるか」 の下りがあるが、高度成長に乗じた日本は対外貿易にしろ、ODA事業にしろ、本音と建前の使い分け上手は別として、どこまで相手の立場や感情を思い遣って対応しているのか。時々分からなくなるのは自分だけだろうか。
 この度の湾岸戦争対応の一部始終を見る限りにおいても然りである。趣旨の善し悪しは別として折角九〇億ドルという、厖大な国民の血税を拠出しながらも拙速に欠けた経緯をもってその割に国際的評価が今一つである。
 これは国是の曖昧さの上に、先進諸国の顔色をチラチラ斜に見ながらの義理張り的発想が底流にあって災いしているように窺える。
 湾岸戦争について一人のアメリカ人がいうには「日本は経済効果を第一義に物事を運ぶが、経済は人類の行為を支える手段であり、目的ではない。経済面で多大な損失を予想しながらも、純粋に国際社会の正義と株序のために人類の理想を貫かなければ、やがては歪んだ事態の相乗現象が地上に溢れる」 と。
 そもそもアメリカには 「フルブライト法」 や「マスキー法」等、人名を冠した法律が厳存し、それらも国会で超党派の支持を得て成立するという、真の民主主義の根本精神が強く機能しっいるからに他ならない。
 「利によって」 ではなく「理によって」物事を堆し進める国民性と良識とを培い、一日も早く国際的な信頼と認知を得て、確固たる地位を築いて行かなければならないと思う。

NVCロゴマークもできました
 NVCロゴマークのデザイソが決まり、さっそく「ラオス絵はがき」、の袋の上、及び「愛のかけ橋バザー」売り子の人たち専用バッチとして6月デビューしました。いかがですか?これからもどんどん活躍します。

NVCラオス絵はがきができました!!
 写真家山井和賭さんの協力で8杖1セットのNVCラオス絵はがきができました。今回は個人会員の方には1セット、団体会員の方には団体で1セット差し上げます。このはがきがもっと欲しい方、お友達が欲しいと言っている方は郵送料72円とはがき代金1セット400円(または相当額の切手)を添えて、NVC事務局宛に申し込んで下さい。
 このなかで、手首に白いひもを巻かれている写真がありますがこれはバーシーという儀式です。ラオスでは結婿や歓迎や送別などのときに友人や親戚などが集まりこの儀式をします。昨年、JVCラオスの谷山さんが一帰国して新潟に講演に来た時、この白いひもが手首にまいてありました。
「日本に一時帰国する前ラオスのひとたちがどうかこの縁を切ってくれるな、と巻いてくれたんです」と言ったことばが忘れられません。

* 3-6ページのバザー協力者名簿は割愛させていただきました。

難民キャンプの女たち・子どもたち  
  第一回スタディツアー参加 大 野 一 伊

●スラム
 難民キャンプやスラムの様子は、正直のところ非常に重たいものを感じて来ました。
 「ここは私とは別世界」と思いたい気持ちでした。しかし同じ女性、同じ子育てをしてきた者同士の感覚は、言葉の違い、習慣の違い以上に身に感じるものがあります。つい身を乗出して 「何か私に、出来ること、ありませんか!」と声をはりあげたくなります。「タイにいったけどそんな所があるなんてちっとも知らなかった」 と…確かに観光族行ではきらびやかな寺院とショッピソグ巡りです。その観光バスが通った裏側にスラムがありました。

●バンコクのスラムは一、000ケ所?

 クロントイ港湾局の湿地帯に不法にトタンや古材の掘っ立て小屋が建っていました。約3万人が住んでいると言われています。なぜこんなにスラムがあるのでしょう。
 農村から都会へと人が流れるのは、かって日本の農村と同じです。農業労働の厳しさとテレビや冷蔵庫と言った家電製品が欲しい、事や農機具も欲しい、という生活に変わってきました。それ以上に農地の問題もありそうです。現金収入をもとめてバンコクに出てきても職はありません。かといって村にも帰れず結局はスラムで…ということの様です。
 スラムに足を入れた瞬間ゴミと匂いのすごさに驚きましたが、このスラムにはテレビもあり犬やアヒルがいて、のどかな風景も見られました。それはNGOの援助やスラムの人たちの自治組織によるところが大きいとのことでした。
 スラムで会ったご夫婦は夫は沖仲士、仕事にあぶれた日は竹串を作っています。この竹串しは、外食文化のタイに使うけでなく日本にも釆ているといいます。
 一生懸命頑張っても一束千本で7バーツ約四十円、一日十束が限度だといいます。ベテランの夫婦でも一日掛かって70バーツ、普通の女たちの内職では紛20バーツといいます。女たちは、子どもの教育費や食事の糧にせっせと削っているのでしょうか。私たちがスラムでした食事が10パーツでした。

●スラムの子どもは働き者?

 子どもたちは、小学校へ93%入学しますが、卒業するのが64%です。4年生までは、一応日常生活の読むこと計算することが出来るので親は、あとは学校にいくより働いた方が早く生活態度が身につくと考えています。
 JVCの活動の一つに奨学金制度がありますが、奨学金を貰ってもやはり途中で学校を止めてしまう。本当に子どもを教育していくならば今の金額より多く渡さなければならないし、家族まで抱き込んだ世話をしなければならない。それが果たして良いことなのかどうか問題だと聞かされました。このスラムの子どもたちにとって教育環境に必要なものは何なのでしょうか。こんな思いを遮る子どもたちの喚声の賑やかさに誘われて近寄ると、とっても無邪気な明るい目に出会いました。でもこの子もやがては、車の列を縫って花束や新聞を売り歩くのでしょうか、そして少し大きくなったら売春婦…。

●難民キャンプの悩み
 湾岸戦争での難民たちの、援助の手がゆきとどいてないテント暮らしの様子をテレビで見ましたが、タイのキャンプも初めはそんな状態だったと思います。10年も経った今は、りっぱな竹の建物に整備されていました。各国の民間団体のボラソティアの優しさに支えられてむしろスラムの人たちよりずーっと恵まれた生活をしているかに見えました。
 しかし深刻な問題に悩まされていると聞かされました。定住先がないこと、自国に安定した生活の補償がないこと、祖国の伝統を知らないこと、その為の指導がされていました。なかでも私が気になったのは、与えられた生活の中で自分が誰かにとって必要な存在だという意識が育ちにくいことです。子どもたちに普通の生活をさせてやれないことも。囲いの中だけの生活では人間らしく生きられるのでしょうか。私たちが当り前と思っていた普通の生活が子どもにとってどれだけ大切なものか改めて考えさせられました。

●山岳民族(モン族)の刺繍
 パナニコムで、出会った山岳民族の人たちは、暮らしの様子を伝統的な色やデザインで刺繍をしています。
 山に住んでいる時は、日常生活のものとして刺繍されていたものが今では、戦災に遭いキャンプにたどりついたことを図柄に現金収入の為に作られていました。
 キャンプでは、一応衣食住は、補償されていますが何かとお金が欲しいのでしょう。配給されている食糧では、子どもにとって、とても栄養が取れません。それを補うために刺繍を刺す手に余念がないのでしょう。
 事前研修や本を読んでも文字だけが、うわべだったものが、実際に見て触れて初めて文字の意味がわかるようになりました。これはツアー参加の大きな収穫でした。
 私たちの手と援助を待つ人の手が、直接触れ合い、握り合うところで初めて生きた援助になるのだと思いました。

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第3回・4回NVCスタディツアー日程が決まりました
 昨年のスタディツアーの結果、意外と高校生及びその父兄の方々からの反響が大きく、今年は第3回スタディツアーに高校生対象とし親子ツアーを企画しました。期間は7月27日から8月5日、行き先はタイのカオイダン難民キャソプ、スラム、コンケン大学、シンガポールの人民協会です。第4回一般向けツアーは8月3日から12日のタイのスラム、ラオスの農村改善プロジェクト視察とシンガポールです。この研修の内容をよく理解し、研修後その成果を社会に還元できる方を募集しています。応募される方は6月28日までに参加の動機を二〇〇字程度にまとめ、〒九五〇−二一新潟市五十嵐二の町八〇五〇新潟大学法学部鯰越研究室電話 (〇二五)二六二−六五五二宛へ。

もうひとつのかけ橋」編集スタッフ募集
 NVC会員相互の情報をもっと頻繁にすべく、「もうひとつのかけ橋」的なものを出す必要があるのではないかとの意見が寄せられました。そこで、@編集スタッフを募集します。A投稿のお願いをします。内容は、NVCに関する意見、全くNVCに関係のない日頃のできごとなどなんでも結構です。NVCラオス絵はがきの申し込み、「もうひとつのかけ橋」編集スタッフ希望者、投稿の宛先はすべて〒九五〇1二一新潟市五十嵐二の町入〇五〇新潟大学法学部多賀研究室内「NVC事務局」 へお願いします。

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