かけ橋

掛け橋 ラオス-新潟
第 3 号  1991年3月30日
発 行 所  新潟市坂井東4−28−5 NV C新潟連絡所
TEL O25−268−2035 発行責任者 佐藤栄子

人の輪をさらに大きく-NVC1周年に寄せて-
今年もできることを着実に
 NVC一周年に寄せて
 「ラオスの子供に愛の手を」というバザーを一昨年十一月に開催し、日本国際ボランティアセンター(JVC)が実施するラオス農村改善プロジェクトに、協力を始めてから約一年半たちます。
 去年の三月には、多くの方々のお知恵を拝借して、新潟国際ボランティアセンター(NVC)が誕生しました。NVCは、事務所もない、代表もいない、会報もめったにでない、全員が顔をあわせる総会も年一回しかない団体です。これでいったいどれほどのことができたでしょうか。
 バザーを一回。これによって、今年もラオスプロジェクトに一万ドル寄付しました。商品の提供、販売、収集にあたった協力者は数えきれません。ツアーを二回。のべ参加者は、二四名です。『国境を越えて遠く』という単行本も一千部発行しました。勉強会・講演会・報告会の類いは、約三〇回。参加した人は二千名をこえています。東南アジアに想像をめぐらすためにと「タイ料理のタベ」も開き、百人以上が参加しました。
 こうした活動は、それぞれ、会員の発案で、会員の自主的な運営で行われてきました。なによりもうれしいのは、このような活動を通じて、国内(県内)国外(県外)に人の輪が形成されたことです。ラオス婦人同盟の代表、国会議員のケムペットさんは「新潟の人たちの協力には本当に感謝している。新潟の協力は着実にラオスの農村改善に役立っています。いつか、新潟とラオスとでそれぞれの経験について話しあうことを是非してみたい」と望んでいます。JVCが井戸掘をしたカムアン県の副知事さんは、第二回ツアーの際に歓迎宴を開いてくださり「新潟国際ボランティアセンターからようこそ、これからもカムアンと新潟の交流を望んでいます」といいました。
 新潟の方でも、NVCに所属する人が顔をあわせると「一年にひとつずつ、学校を建ててプレゼントできたらいいのに」とか 「NVCでタイ・ラオス料理のレストランを開きましょう」とか、新しい人のネットワークのもとで話に花が咲きます。
 NVCは、組織や、お金や、派手な宣伝は必要としない団体です。何の見返りも求めずに、自分の意思で集まった普通の人の小さな善意の巨大な塊にすぎません。偉そうに、第三世界を支援するなどと言いません。無備の労働力や大切なお金を使って協力をするときには、事前事後の厳しい調査を行いながらやっています。
 今年もいろいろ計画しています。バザーは六月、ツアーは七、八月に、勉強会・講演会・報告会は、随時行います。新しい活動のための調査も積極的に行います。組織は二年目、イベントは三年目がもっともその真価が問われるといいます。会員の皆様のアイデア、実行力、さまざまな形での協力をお願いします。
 「地球に優しく。この大地は、両親があなたに与えたものではない。次の世代から、あなたが借りたものだ」(ケニアの諺)。この地球は、どんどん小さくなります。この惑星で暮らす以上、人類は家族のようなもの。家族が困っているときには、おたがいさまがあたりまえ。NVCは今年もできることを、着実にやります。

第3回ラオスの子供を救おう、愛の掛け橋バザー
商品をゆずってください。(5月7日〜6月5日)
 家に眠っている贈答品がありましたら、たくさん寄付してください。
 NVC 佐藤栄子まで TEL 268−2035
商品を格安でご購入ください。
 6月8日(土)9日(日) 9時〜17時
 場所 東北電力グリーンプラザ(上大川前5)



新潟国際ボランティアセンター
   =おもな活動の報告=


第1回 スタディーツアー実施
 昨年七月二十五日から八月二日、NVCは県内各地から参加者を募集し、二十人を選考、原敏明さんを団長として、第一回スタディーツアーを行いました。
 タイではJVC(日本国際ボランティアセンター)が活動しているクロントイ・スラム、カンボジアとの国境にあるカオイダン難民キャンプを、シンガポールでは人民協会、歴史博物棺、晩晴園などを視察しました。
 バンコク・クロントイ港にあるクロントイ・スラム。農村で食べていけない人々が都市に仕事を求めて、この湿地帯に板を組み立てただけの家をつくり住んでいます。主に港の荷役、建設労働者として、日雇いで働いていますが、仕事は毎日あるわけでなく、生活はとても不安定です。
 子供たちも家計を助けようと、幼いうちから働いています。タイの公立小学校では学費は無料なのですが、制服、鞄、ノートなどが購入できずに学校へ行けません。JVCではそのような子供たちに奨学金活動を行っています.
 しかしスラムの人口は急スピードで増える一方です。「なぜ貧しいのか」という問題をこのスラムだけで解決するのは困難であると判断したJVCは、今後、元を絶つべく農村改善ヘカを入れていくそうです。
 パナニコム、カオイダン難民キャンプでは、隣国からの難民を受け入れています。難民を第三国へ送り出すための語学、生活トレーニングを行っていました。カオイダンキャンプでは、カンボジアからの難民が生活しています。各国のNGOはカンボジアから命からがら逃げてきた彼らと生活を共にし、生きる道を探しています。今では、タイ政府は難民キャンプを縮小する方向へ向け、難民を第三国へ送り出すのではなく、本国へ帰そうという方針に変わりつつあるので、JVCの活動方針も、そのためのトレイニングを行っていました。
 いずれの問題も原因を考えると、決してその問題の起きた部分だけで解決することは不可能な、奥深い社会問題であることを学び取った旅でした。スラム・難民キャンプの現実、JVCの人たちの情熱に満ちた活動力を目の当たりにし、ツアー参加者も、一人一人何ができるかを真剣に考えました。帰国後、ツアー報告書『国境を越えて遠く』を作成、一千部を配布しました。現在も、それぞれの地域や職場など、いろいろな場に出向いて積極的に現地の模様を多くの人に伝える活動をしています。

第二回バザー
 昨年六月九・十日、新潟市の東北電力グリーンプラザにおいて「ラオスの子供を救おう愛の掛け橋バザー」を行いました。商品提供、商品集め、運搬、販売等ご協力いただきありがとうございました。みなさまの善意により売り上げは一、七九四、八三五円にもなりました。
 ラオスでは五人に一人が五才に満たないまま死んでしまいます。JVCがこの事態を改善するために農村改善プロジェクトを手がけています。NVCでは、この運動に協力すべく、バザー売上の中からは百万円(一般会計より二五万円で、合計百二五万円=一万ドル)をJVCラオスプロジェクトに寄贈いたしました。NVCはこのプロジェクトに対して長期的に協力していく計画です。
 昨年九月、JVCラオススタッフの北詰秋乃さんを新潟にお招きして、スタディーフォーラムを開催し、JVCラオスプロジェクトのようすを聞きました。
 JVCラオスプロジェクトでは、ラオス各地から集まった女性に「母子研修センター」 で改善普及員養成トレーニングを行います。その後、彼女たちは普及員としてそれぞれの村に帰り、村のコミュニティーセンターで母子保健の指導をしたり、村の子供の成長のチェック、また、栄養のある作物をつくるようすすめます。そのような活動をしてから再び、普及員は母子トレーニングセンターへ戻り、村でぶつかった問題を話し合う、ということです。NVCの送金したお金は、それらトレーニング援助、ロジエクトを力強く支えています。

あじ探検
 昨年販売したラオス・パクセコーヒー、ラオスプロジェクトのTシャツ、JVCカレンダー、ラオスの織物など、すべて好評でした。
 中でも、反響の大きかったものは、「私はちょっとコーヒーにはうるさいんですよ」と、むずかしい顔をするおじさんをもマタタビに操られる猫のように変身させてしまう、甘い香りのパクセコーヒー。砂糖、ミルクをたっぶりと入れて飲むもよし、うすめてブラックのまま飲むもよし。しかし、「そんな普通の飲み方じゃつまんない」 というチャレンジャーはラム酒など入れてみるのもいいでしょう。
 NVCはみなさんの心も胃袋も刺激したいと、新年会としてタイ料理試食会を行いました。強烈な辛さに泣かされた方もいたことでしょう。スープ、焼きめし、炒めもの、カナッペにココナツミルク。調理係となった人たちさえいったい何種類つくったのか把握できていません。みなさんの好みを探ろうとアンケートを用意したのですが、集計後「十人十色、百人百好み」といった結果がでました。
 それならわたしも作りたい、という声が多かったので、今回は 「ラープ・ガイ」 の作り方をご紹介します。

用意する物:
米・半カップ、鶏胸肉・200グラム、玉ねぎみじん切り・半分、きゅうりせん切り・1本分、レモン・半分、ミントリーフ・とうがらし・ナンプラー・適量。
作り方:
1.米は洗って乾かしてから、フライパンできつね色になるまで炒り、炒った米をすりばちで粉になる寸前まで砕く。
2.鵜肉をゆでて締切りにする
3.米、鶏肉に玉ねぎ、きゅうりを混ぜ合わせ、レモン、とうがらし、ナンプラー(なければ醤油)で味をととのえ、ミントリーフをたっぶりとちらす。
食べ方:
もち米につけて、手で食べます。

* 3,4ページのNVC活動の記録及び5ページの新聞記事は割愛させていただきました。

日本が見えてきた
-第2回NVCスタディーツアーに参加して-

新大法学部学生
大谷 豊

 第二回NVCスタディツアーは、昨年十一月にラオス・タイ・シンガポールを十一日間の日程で訪れた。NVCの今後の協力の道を探る目的で、参加者は公募せずに直接助言をできる農業やコミュニティ問題の専門家等でチーム編成する予定であった。日程が折り合わず、結局コーディネーターとして新大の多賀先生、ラオスの写真展や写真集を手がけるために写真家の山井氏と、学生会員を代表して私の三名が訪れた。
 贅沢な少人数だったために、ラオスの現状、NGOの活動をつぶさにみれた。中でも、JVCの井戸掘プロジェクトの現地を参観できたのは、本当に幸運であった。
 井戸掘は、村の生活の基本となる水の供給が目的だ。水運びは子供、女性の仕事。井戸のない村では、時には、一、二時間かけて水を運ぶ。そうした村にJVCはありきたりの材料で出来る井戸掘り技術や水汲みポンプの作り方を伝授する。
 JVCがコーディネートしてタイから先生を連れてくる。実習は、村人の自立性に任せている。村人がそれを覚えて次々と近隣の村々に技術が伝わることを目指しているからだ。最初のうちは戸惑い気味だった村人も井戸掘りが進むにつれて熱気があふれてきたのがよく感じられた。
 井戸掘を子なった村は、ラオスでは、平均的な部類。実習の前の講習は、村の小学校を一週間休講にして、その校舎を使って行われた。そういわれるまでは、学校と思えないぐらいの建物だった。床は土を踏み固めたまま、壁は高さ一メートルくらいの竹とヤシの葉、天井は屋根のトタン板があるだけだった。
 この村で指導にあたっているラオス女性同盟のナパーさんによると、大人たちが共同養魚所の収益を大切にとっておいてトタン板の葺きかえ代を賄ったそうである。その話をするとき思わずナパーさんが「ラオスの農民がかわいそうだ」といってポロポロ涙を流していたのが忘れられない。  その晩、ボーリカムサイ県の県都ターケクで、副知事が、歓迎宴を催して下さった。彼ははっきり「新潟国際ボランティアセンターからようこそ、今後とも協力、交流が続くことを望みます」と挨拶した。NVCに集う新潟の人びとが考えたりやったりしていることが着実にラオスに伝わっているという自信を深めた。
 今回のスタディツアーでは、四〇年間の戦争に続く新しい復興の時代が今ラオスに訪れていることをはっきり認識できたとともに、日本と比べて生活水準ははるかに低いのに、日本にはない何かがラオスにはあることを実感した。物資文明にドツブリ凍ってしまっている日本の社会システムのほうがかえって憂慮すべきことがたくさんあるのも学びとった。日本が見えて来たと言ってもよい。ご協力くださったNVCの皆さんにこの場ををかりてお礼させてください。ありがとう。

ラオスから感謝の手紙
新潟国際ボランティアセンター様

 拝啓
 例年になくこちらは暖かい冬を迎えていますが、新潟はいかがお過ごしでしょうか。 さて、この度はラオスプロジエクトに百二十五万円の寄付金を頂きまことにありがとうございました。

 ラオスプロジェクトはJVCのプロジェクトの中でも比較的小さなプロジェクトですがラオスという国の知名度の薄さや人材育成というプロジェクトの性格上いつも資金集めに苦労しています。この青色吐息のプロジェクトを最も協力に支えてくださっているのがNVCの皆さんです。
 また資金的に支えてくださっているだけでなく、現地スタッフが新潟を訪問する械会を与えて下さったり、ラオスの現場を見に来て下さったりと人と人との繋がりを通して、新潟とラオスを目に見える形で繋いで下さっています。JVCのプロジェクトのな紙手のラオスから感謝かでも地域ぐるみでプロジェクトを支援して下さった初めての例と言えます。面白いことに新潟とラオスの例が新鮮で強烈であったために、JVCの他のプロジェクトも盛んに日本の地方と結ぼうとしています。タイプロジェクトが山形と、ベトナムプロジェクトが大分と、といったぐあいです。
 一方ラオスの現場では、NVCがスタディツアーで訪問した11月の始めからは12月にかけて、重要なプログラムが目白押しでした。普及員と農民による簡易井戸掘のトレーニング、普及員のタイスタディツアー、第一期普及員全員のヴィエンチャンでの報告会などなどです。これら一連のプログラムを通して、最初この国で初めての生活改善普及貞の活動に戸惑っていた普及員も、自分たちの貴任を自覚し、農村の生活改善の方法を自分のものにしていったことが見て取れます。
 人材養成には時間がかかります。それ以上に農村の生活改善に時間がかかります。しかし私達がラオスの将来(それは第三世界と日本の問題でもあります)を共に考えていくラオスのカウンターパートが確実に、ラオスに育っているのです。

 JVCはこの春、ラオスプロジェクトの資金集めのためのキャンペーンを行ないます。ラオスの絵はがきもやっとできました。キャンペーンでは新潟でも是非協力していただきたいと思っいます。企画書ができ次第改めてお願いしたいと思います。
 どうか今後も末長くご支援いただきますようお願いいたします。

                        
一九九一年一月二四日
   JVCラオス代表
        谷山博史

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